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EFNニュースレター

原子力エネルギーを支持する環境保護者

2004年10月21日

 

 フランス最初のEPRは

ノルマンディのフラマンビルに建設される

 

EPR project in Finland (rights reserved)

お断り:EPR はフランスの原子炉であり、これに関する利用可能な文献は( EFN の書類を含めて)主にフランス語である。 従って次に述べてあるリンクもフランス語である。 これらの資料を英語に翻訳するために必要であるなら、無料のゴーグル自動翻訳サービスhttp://www.google.co.jp/language_tools?hl=ja を使うことができる:

 


クリーンな原子力エネルギーの友人の皆さん

 

 EDF は最初のフランスのEPR(欧州型加圧水炉)を建設するサイトを明確にしました。 それはすでに133万kwの加圧水原子炉2台が運転されている フラマンビル(Flamanville)であります。

 

Tricastin (ローヌ川)と Penly Seine-maritime 、海岸)が、この新しい EPR の候補であったけれど、海岸での設置が望ましいということでTricastinは除かれた。 Penly のサイトに関しては、前首相で地元の政治的指導者のLaurent Fabius とフランス議会のメンバーが、緑の党員と一緒に EPR に対して反対運動をしていたので、Penly は候補から外された。

 

EDF フランス電力:フランスの58の原子炉のすべてを所有し、運転する世界で最も大きい電力会社)の社長Pierre Gadonneix は、20041021日の EDF の役員会議の後にフラマンビルを選んだことを確認した。

 

この決定は何年も遅れており、緊急の課題になっていた。 EPR のためのスケジュールを見てみよう。2005年と2006年に許認可の諸手続きがおこなわれ、2007年には建設工事が始まる。原子炉は2012年までに運転が開始される。

 

現在運転中の58のフランスの原子炉は、2020年から新しい炉に置き換えられる予定である。今回のこの新しいEPR 原子炉は、58台の現存原子炉に代わるEPRのシリーズの建設を控えて、EPRの概念と設計の有効性を確認するためのものである。 EPR は改革的な原子炉ではなく、すでに大変よく働いておりそして非常にきれいで安全な、加圧水型原子炉の改良版である。

 

フランス国立原子力安全局( Autorite de Surete Nucleaire  ASN )は、この原子炉が既存の原子炉と比較して重要な改良が行われていることを認めて、10月5日に EPR プロジェクトの推進を許可した。 EPR はより良い安全システムを持っており、経済的競合に耐え、作り出され廃棄物の量を減らし、労働者の放射線被曝を少なくすることが出来る。

 

EPR の建設工事は5年を要するであろう。 しかし許認可手続きなどに必要な2年のほかに、後に続くシリーズの本格的建設に入る前に、適切なテストをするため、 EPR は少なくとも最初の燃料補給まで運転する必要がある。したがって2年プラス18カ月を必要とする。 これらの期間を合計すると、適切な試験を経て2020年に次のシリーズをスタートさせるのには、2004年はデッドラインに来ていた。したがって今回の決定は、急を要し、早急に行われるべきものであった。

 

人類は、温室効果を起こす毎秒800トンのCO 排出のレベルを拒絶し続ける。 Flamanville で建設される一台は、毎年400万トンのCO2の排出を抑制することとなる。

 

ノルマンディにEPR を建設することは、ノルマンディ地域の環境にとって良いことであるとともに、フランスのためにもまた地球のためにも良いニュースである。 このことは、輸入される石油にあまりにも多く依存しているフランスとヨーロッパを、保護するのに効果がある。 戦争がイラクで行われているので、サウジ アラビアはかってないほど不安定である。そして、ヨーロッパがまったくペルシャ湾に依存しないでいるのを助けていたイギリスの天然ガス生産高が、今年落込み始めている。

 

EPR は、最良のヨーロッパ技術を集めたヨーロッパのプロジェクトである。フランスとドイツの協力から生まれた( フラマトム とシーメンス、今 アレバで一体化した)最初の EPR は、エコロジーの意識の高いとの評判を保持しているフィンランドによって2003年に購入され、2010年に運転開始が計画されている。 Flamanville での新しい EPR は、 EDFといくつかのパートナーによるヨーロッパのコンソーシアムによって所有され、運転される事となる。 ベルギー、スペインおよびイタリアは、とりわけ興味を持っているようであり、コンソーシアムへの参加を検討している。

 

財政投資(原子炉建設の費用)はおよそ30億ユーロであろう。 これは大変高価であると思われるかもしれないが、高い価値を持つ莫大な量のきれいな電力160万kwを生み出す。したがってごく短期間のうちに投資を償却出来るであろう。 例えば、Daya湾にあるChine 発電所は(1993年と1994年に稼働し始めた)フラマトムによって製作された2台の90万kwの原子炉を持っている。その建設費用は、ベースロードとして販売された電力料金収入によって10年以内に償却された。これらの原子炉は、今後50年あるいはもっと長く電気を生産し続けるであろう。

 

化石燃料(石油、天然ガス、石炭) の価格が急騰し続けており、EPR は大いに有利になっている。 それは単に化石燃料よりずっと安く信頼性のある電力を供給するだけではなく、いっそう不安定さをましているアラブ国家の石油と首長から、フランスの独立性を高めることに寄与する。ペルシャ湾には、世界中で残っている安い石油の埋蔵量の3分の2が集中している。

 

フランスの EPR はフランス当局から助成金を受けないだけでなく、他の隠された助成金も受け取っていない(開発されるべきであるがわずかの量のエネルギーしか供給できず、また大きな継続的融資なしでは建設できない、新エネルギーと正反対である)。Basse Normandie の地域と当局は、地域内の三つのサイト間でEPR原子炉を導入するために競合しているが、地方税を、最初の年は100%、次年度は80%、三年目は60%、四年目は40%、五年目は20%免除することを承認した。 この財政的な授かり物は5年で7千万ユーロになる。 これは投資コストと比較して EDF にとってあまり重要でないかもしれないが、地域およびBasse Normandie 当局のやる気を証明しており、またプロジェクトに対する地元政治家の支持を例証する。

 

原子力エネルギーを含めて、すべてのクリーンなエネルギー開発は必要であり、有用であり、そして今までより今日いっそう緊急である。 原子力エネルギーは、20あるいは30年以内に今日の化石エネルギーの重要な部分を担うことができる唯一の代替可能なエネルギーである。 しかしながら石油が不足し始めると、世界中で原子力が大規模に開発されても、必要な地球上のエネルギーをカバーするのに十分ではないであろう。

 

EFN は、原子力エネルギーの強力なカムバックと開発に対して、エネルギーの節約、地熱エネルギー(ヒートポンプ)、太陽熱(温水)および清浄な車と同じように、強力な支援が与えられることを要求する。

 

空想家と原子力反対の組織は、もっと多くの風車を建てることがフランスのために EPR より良い解決策であると偽りの主張をする。  Flamanville で建設されるであろうEPR に取って代わるためには、(パリの大聖堂と比べて2倍高い)最も新しい風車が何台必要になるかを見るのには、ここをクリックしてください。http://www.ecolo.org/documents/documents_in_french/ecole-combien.htm

 

合衆国、中国、インド、日本、韓国、ロシアとフィンランドは、今日原子力エネルギーの持つ環境面の利点のために再び、原子力計画に走り出そうとしている。

 

EFN は、EPR を建設するというフランスの政府と EDF による賢明な決定に賛成である。

 

EFN EPR を建設するというこの前向きな決定の準備に対し、実際強くまた何年間も貢献してきた。すなわち、A)クリーンな原子力エネルギーのメリットと EPR の必要性を大衆に周知することによって、B)ニュースメディアでの我々のインタビューと論文によって、C)フランス語での我々のメーリングリスト、フランス語での我々の ウエブサイト( www.ecolo.org のフランスの旗をクリックする)を通して、D) 公開討論に対しての我々の参加、フランス全体での我々の講演( EFN が設立されてから、国全体での数百の講演)を通して、協力してきた。 我々の目標は、今可能な限り多くの他の国で EFNと同じ行動を発展させて、それを繰り返すことである。 もしあなたがこの点に関して我々に手を貸すことをいとわないなら、EFN と連絡を取ってください。<nuc-fr@ecolo.org

 

EPR については、たとえば200311月にRMC(フランスでもっとも大きいラジオ局の一つ)において、Corinne Lepage を相手として EPR のメリットについて議論した私のラジオインタビューのスクリプトを見てください。( Corinne Lepage はフランスで悪名高い原子力反対の弁護士であり、政治的な有名人である)。

 

またEFN は、フランスで2003年の最初の第一学期に開催された「エネルギーについての全国討論」で最も強く協力した NGO であり、2004年の国家エネルギー法の地ならしをし、次の30年間の主要なエネルギーについての方針の意義を明確にした。 この全国的討論に関連して、 全部でおよそ40のイベント、展示会および講演会が、大衆に周知を図るために EFN によって開催された。

 

石油埋蔵量が大幅に枯渇する前に、きれいな電気を作り出すこと、そして燃える石油と化石資源への依存から我々の世界を解放することが不可欠である。 世界中の油井が枯渇し始めた時、我々の近代的な社会の破滅を避けるために、人類は1973年にフランスがやった事に着手すべきである。すなわち、少なくとも電力のベース需要をクリーンな原子力エネルギーによってまかなう。 一方、フランスおよび原子力国は、現在の発電所がその寿命に達したときそれらを置き換える必要がある。 発電問題の次のステップは、輸送機関を石油から開放することである。 我々は幸いにも身近にいくつかの解決策を持っている:水素燃料電池(原子炉によって生産された水素)、電気自動車(短い距離の通勤にピッタリ適合)、あるいはトヨタ・プリウス(より長い距離で)のようなハイブリッド・カーなどである。 電気自動車のバッテリーの貯蔵能力は最近進歩し、今や200km以上(たいていの通勤や子供たちを学校に車で連れていくような小さいローカルな使用には十分である)に達している。

 

もっと多くの原子力エネルギー、EPRあるいはAP1000AP600のような競合相手についての情報は、 Web サイトの我々の「資料」の欄に見ることが出来る。 そこには一部非公開のものもあるが、あなたはエネルギーと環境についてのたくさんの資料を12カ国の言葉で見いだすであろう。また他の新型炉、再生可能なエネルギー、自然のエネルギー、エネルギー保存、石油資源の急速な枯渇、などについての多くの資料がただで見ることが出来る。(ウエブサイトを訪問してください)

 

11月後半か12月に、パリ近郊のHouillesで土曜日の午後開催される次の年次総会の前に、ニュースの申し込みあるいは会員資格の更新を忘れないでください。インターナショナルEFNおよびEFN−USAは、年次総会を同一日に同一場所で開催する。 この次の年次総会の日付は、可能な限り早く次の会報で連絡される。

 

心をこめてそしてエコロジー的に  敬具

 

ブルーノ・コンビ

EFN 会長